Cloud Nimble:マルチクラウドおよびハイブリッドDevOpsの次なる進化

ハイブリッドおよびマルチクラウド環境向けのクラウドネイティブを超えて

ここ数年、システムアーキテクトは、システムがクラウドネイティブ型であり、アプリケーションが拡張性の高いクラウド基盤向けに最適化されていることが求められています。

今日の環境では、ソリューションがクラウド敏捷性(cloud nimble)を備えているかどうかを問われています。

現代の企業にとって、クラウドコンピューティングは今や、アプリケーション、ストレージ、コンピューティングのための一般的なモデルとなっています。プロバイダーやサービスの範囲が拡大するにつれて、企業はクラウドがビジネスの近代化の鍵であることを認識するようになっています。

大手企業がクラウドコンピューティングを用いてビジネス変革を進化させるにつれて、イノベーションを加速し、クラス最高の状態を維持し、ベンダーロックインのリスクを軽減するために、ハイブリッドおよびマルチクラウドアーキテクチャへの依存度が高まっています。

ここで明らかになったことは、クラウドネイティブ型のソリューションは、クラウド環境やハイブリッド環境においてアジャイルでスケーラブルな運用を行うための出発点に過ぎなかったということです。先進的なDevOpsエンジニアは、クラウド敏捷性を備えているソリューションを模索する必要もあります。パブリックとプライベートの両方の複数のドメインから重要なワークロードを選び、分散させることができる、運用する上で一貫したプラットフォームが必要になります。

ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの台頭

組織は、クラウドを使用してイノベーションを迅速に進め、柔軟に拡張しながら、最小限のコストとリスクで大胆なデジタル投資を行うことの利点を認識しています。現代の企業は、今ではクラウド対応、ソフトウェア主導、そして仮想型になっています。

2021年、83%の企業ではクラウドへの支出が120万ドルを超えたと報告され、そのうちの36%は1,200万ドル以上にのぼっています。

Cloud Spend by Organization Size

このモダナイゼーションが進むにつれて、重要なワークロードを単一のクラウドプロバイダーに任せることにはリスクが伴うことが、これらの組織にとって明らかになってきています。

2021年に29業種の7,000社以上を対象に行われた調査では、単一のプライベートまたはパブリッククラウドを使用していると回答した企業はわずか3%で、2年前の29%から減少しています。回答者の59%は、プライベートクラウドとパブリッククラウドをハイブリッドに組み合わせて使用していると言っています(IBM、Cloud’s Next Leap、2021)。

Cloud Type Usage

これらの調査回答者のほぼ5分の4が、ベンダーロックインなしにワークロードを完全に移行可能にできることが、デジタルトランスフォーメーションを達成する上で極めて重要であると述べています。

ハイブリッドクラウドとマルチクラウドは急速に、クラウドサービスを提供するための最も一般的なITアーキテクチャになりつつあります。企業は、単一のクラウドプロバイダーからの切り替えを通じて、仮想運用の俊敏性をさらに高めようとしています。

クラウド敏捷性を備えた企業

この先の企業におけるクラウドコンピューティングは、運用をクラウドネイティブにするだけでは不十分であり、クラウド敏捷性を備えていることが重要です。 

クラウド敏捷性を備えた企業は、あらゆるクラウドで、どこでも実行できる機能を求められ、具体的に、以下のようなものが挙げられます。

  • 特定のタスクに対して、クラス最高のサービスを行うための最適なクラウドを選択できる
  • ワークロードに対して、最もコストの低いプロバイダーを割り当てできる
  • 負荷分散または需要価格への調整のためにワークロードをシフトできる
  • データとコンピューティングサービスを地理的に近接させておく
  • 冗長性を確保して99.999%の可用性を維持できる
  • ハイブリッド戦略を採用して、セキュリティや規制の要件に準拠する

クラウド敏捷性を備えた企業の方が、バランスやスピードを失うことなく変化に適応することができます。

JFrog DevOps Platformは、DevOpsの成功のためのバイナリ駆動型の方式を可能にする、市場をリードするソリューションのセットです。今日の企業のクラウド敏捷性の要件を満たし、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境にわたって完全な柔軟性と運用の一貫性を実現します。

一貫した運用モデル

多くの場合、アプリケーションのセルフマネージドなバージョンとそのSaaSオファリングの間には、大きな機能差が存在することがあります。すべての環境間で完全に同等の機能を備えていないバージョンとなっている場合、DevOpsの一貫したモデルを維持する上で大きな障害になる可能性があります。

クラウドネイティブなJFrog Platformは、すべての運用環境で市場をリードする完全な機能セットを提供し、DevOpsの成功に向けて同じベストプラクティスでクラウド間でSDLCを運用することを可能にします。

クラス最高のサービス間での分散

あるクラウドが最適なストレージサービスやセキュリティを提供する一方で、別のクラウドが最高品質のVCSや自動化を提供することもあります。異なるコンピューティング言語やランタイムを対象とするチームは、独自のクラウドベースの開発ツールセットを選択することを好むかもしれません。遅延の影響を受けやすいアプリケーションで高速にアクセスするために、それぞれが独自のクラウドサービス内の局所性を必要とする場合もあります。

クラウド敏捷性を備えたJFrog Platformにより、SRE(Site Reliability Engineer)は、SDLCのさまざまなセグメントに最適なクラウドプロバイダーを選択したり、多様なチームの特定のニーズを満たすことができ、安全で単一の信頼の輪の中でパッケージとバイナリのガバナンスを維持できます。

一貫したセキュリティ体制を維持する

クラウドベースのプラットフォーム、ツール、およびサービスといった、さまざまなエコシステムを用いて運用する際、それぞれが独自の保護を備えているため、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体を通じて一貫したセキュリティ体制を維持することが難しくなってきています。

JFrog Artifactoryのきめ細かなアクセス許可と、複数のプロトコルを介したシングルサインオンとの統合により、組織は複数のクラウドドメインにわたって、ソフトウェアサプライチェーンを一貫した高品質な状態で保護し続けることができます。JFrog Xrayを使用すると、すべてのクラウド環境に対する一貫した監視、レポーティング、脆弱性に対する修正、コンプライアンスに関するスキャンを行うことができます。

SaaS用にクラウドを選択

クラウドの選択肢が1つしかない場合、マルチクラウドSaaS戦略を採用することはできません。

JFrogのクラウド敏捷性を持つソリューションは、選択性と透明性の両方を兼ね備えています。JFrog Platformのアカウントは、3つの主要なクラウドプロバイダー(AWS、Google Cloud Platform、Azure)のいずれかまたはそれぞれで自由にホストできるため、チームが使用するクラウドエコシステムツールとデータの近接性を確保できます。

課金を簡単にするため、クラウドプロバイダーのマーケットプレイスを通じてJFrogアカウントを作成し、既存のクラウドクレジットによって月々のサブスクリプションを支払うことができます。

マルチドメインの自動化

企業はJFrog APIを使用することで、バイナリを安全に配信したり、あるクラウド環境から別のクラウド環境にペイロードを開放したり、JFrog Platformのデプロイ間でSDLCを相互運用したりできます。

リポジトリのレプリケーションにより、チームはドメイン、リージョン、プロバイダー間でアーティファクトとビルドを共有できると同時に、各チームのデータの局所性を維持して、共通のDevOpsプラクティスのセットをフルスピードで運用できます。

クラウド移行の促進

ギガバイト、テラバイト単位の蓄積したパッケージ、ビルド、メタデータをJFrog Platformインスタンスからクラウド上の別のインスタンスに移行した後でも、運用の継続性を維持できます。

すべての環境に一貫した機能を設定することで、開発チームは中断することなく、新しく移行されたクラウドインストールに切り替えることができます。理論的にいえば、変化があったことさえ気づかないかもしれません。

DevOpsをクラウドにリリースする

クラウド敏捷性を備えたJFrog Platformを使用してバイナリ管理とSDLCのベストプラクティスを採用すると、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境全体でトレードオフすることなく、完全な柔軟性と運用の一貫性を実現することができます。より迅速にイノベーションを起こし、ベンダーの選択と柔軟性を最大化し、一貫したセキュリティ体制とクラス最高の運用モデルにより、設備投資の組み合わせを最適化します。