DevOpsが中心に躍り出た1年 (2020年)

2020年の初めには、年末にどんなことを話したり考えたりしているのか、誰も想像できませんでした。

JFrogはまず、DevOpsのライフサイクルに関わるすべてをひとつに統合することについてお伝えしました。世界的なパンデミックの影響を受けて、この団結と一体感を謳うメッセージはあっという間に想像以上の大きなものになりました。

2020年がJFrogにとって、そしてもちろん世界にとっても忘れられない年となりました。この1年を振り返って将来を見据えるにあたり、重要なマイルストーンをいくつか簡単にご紹介します。

デジタルトランスフォーメーションの加速

あらゆる人の日常生活に影響を与えたパンデミックは安全で効率的、かつ信頼性の高いハイブリッドなDevOpsの必要性を世界中で浮き彫りにしました。ソフトウェアがすでに世界を席巻していることは誰もが知っていますが、パンデミックにより、DevOpsが企業のデリバリーの中心であることが如実に示されました。

仕事がリモート化したことで急速なデジタルトランスフォーメーションを迫られ、時には何年もかかった移行計画がわずか数週間に短縮されることもありました。堅牢でエンドツーエンドのツールとプロセスが企業の働き方に対応していなければ、デリバリーは不可能になりました。これらのトレンドの多くはパンデミックの回復後も継続し、引き続きビジネスを変えていくことでしょう。


JFrog Platformの特長

2020年にリリースしたJFrog Platformでは世界初のエンドツーエンドでハイブリッドなユニバーサルDevOpsプラットフォームを実現しました。それは何故でしょうか?開発者にはこれまで以上に多くの要求が課せられています。より早く提供する、セキュリティを組み込む、より多くの革新を行う、コストを削減する…数え上げればきりがありません。

これを実現するために、開発・運用するエンジニアのグローバルなコミュニティはパッケージ管理セキュリティCI/CD、配布、管理機能を単一のソリューションにした、エンドツーエンドでネイティブに統合されたプラットフォームを必要としています。

こうした声に常に耳を傾けていた私たちは、業界をリードするDevOpsツールのコレクションを単一のゴールに向けた完全な統合プラットフォームにまとめました。

完全なエンドツーエンドで完全にユニバーサルな、ハイブリッドで柔軟なDevOpsプラットフォームの実現は業界初です。これでクラウドネイティブな世界におけるDevOpsに関する最新の課題に対応できます。私たちはこの1年間にJFrog Platformが採用されたことを非常に喜ばしく思っており、今後もお客様の声を聞きソリューションを提供し続けることで、2021年にはより大きなイノベーションを生み出したいと考えています。


世界が注目するソフトウェアパッケージ

Artifactory vs Github

「真似することが最も誠実なお世辞になる(Imitation is the sincerest form of flattery.)」という慣用表現があります。その通りですが、パッケージを中心としたアプローチを支持する企業が増えていることは喜ばしいことです。

JFrogは10年以上前にバイナリリポジトリの概念を世に広め、ソフトウェアパッケージビジネスに取り組んできたことを誇りに思っています。パッケージ(別名:バイナリ)はオープンソースのハブから消費するだけでなく、お客様が構築し、パッケージングし、セキュリティを確保し、本番環境で価値を提供するものです。こうした私たちが何年も前から知っていることを真似しようとしている企業を見るのはとても良いことです。2021年、JFrogはこれらの分野でさらなるイノベーションを起こしていきます。


JFrogのIPO

2020年9月にNASDAQファミリーに加わったことで技術系の見出しを飾ることができ、恐れ多い気持ちにもなりましたが、この動きはDevOps業界の重要なマイルストーンとしても注目を集めました。JFrogの上場は純粋なDevOps企業としては初めてのことです。(NASDAQ:FROG)

これはソフトウェア企業がサイロ化された非効率的なグループから、弊社のビジョン「Liquid Software」の示す姿へと進化することを意味しています。つまり、開発者からエンドユーザーまでシームレスに流れるようなソフトウェアの生産を実現する、エンドツーエンドのデリバリーができるようになるということです。

この素晴らしいマイルストーンを達成するために努力してきたFrogたち(JFrogの同僚)を心から誇りに思います。2021年には私たちのアプローチを検証する新しいソリューションと革新的なビジネスの動きで、市場を大いに盛り上げていきます。


コミュニティのサポート

DevOps Community Unites to Fight COVID-19

JFrogはDevOpsコミュニティのサポートなしには成り立ちません。彼らは私たちを駆り立ててより良くしてくれ、意思決定を助け、より効果的にサービスを提供する機会があればすぐに教えてくれます。そんな彼らのために、2020年にJFrog Platformは無料のコミュニティークラウドの提供を開始しました。どのクラウドプロバイダーでも利用可能です。このサービスにはJFrog Artifactory、JFrog Xray、JFrog Pipelinesが含まれており、無料のマルチクラウド環境でユニバーサルなパッケージ管理、セキュリティ、CI/CDを提供します。私たちは開発者が制限なくDevOpsおよびDevSecOpsのワークフローを管理できることを望んでおり、「Switzerland of DevOps」をコミュニティに還元し続けられることを誇りに思っています。(よろしければ、実際にお試しください!)


2020年のイノベーションと評価

設立当初からイノベーションはJFrogのコアバリューであり、お客様やコミュニティの課題を解決したいという社員の情熱によって実現されています。弊社の研究開発チームは製品を統一し、イノベーションのための完全なプラットフォームを提供するだけでなく、お客様が受け取る価値を高めるためにたゆまぬ努力を続けてきました。例えば、規制の厳しい業界に新しいソリューションを提供するためにDistributionのエアギャップ対応を行いました。グローバルチームが効率的かつ迅速に同期をとれるようにピアツーピアの共有を実現しました。新しいコミュニティやパッケージタイプがプラットフォーム全体で提供されました。このような取り組みが市場で注目されなかったことはありません。Forbes誌のCloud 100、SD Times、DevOps Dozen、Deloitteなどから業界の賞や表彰を受けたことは光栄でした。これらはすべて、お客様やパートナーの声に耳を傾け、約束したことを実現してきた結果です。


一度前に飛び出したら後戻りはできない!次はどこへ?

DevOpsおよびDevSecOpsに対するソフトウェアパッケージ中心のアプローチを促進するために、JFrogは会社としてオーガニック・インオーガニックな成長の可能性に投資し続けています。ここでは2021年にご期待いただけることをご紹介します。

  • 普遍性への飽くなきこだわりが私たちを動かします。私たちはすでに優れた普遍的な技術サポートを提供していますが、組織全体の統合を支援するためにさらに進化していきます。
  • 大胆不敵なDevOpsとはシームレスなDevSecOpsを意味します。それが私たちのDNAです。クラウドネイティブなテクノロジーをサポートし、コンテナやランタイムに至るまでの完全なDevSecOpsパイプラインに注力していきます。
  • マルチクラウドの実現に向けたデプロイメントの選択肢が増えます。より多くのクラウドプロバイダーとリージョンのサポートを目指しています。JFrogはお客様が必要とする場所でサービスを提供したいと考えています。
  • ただ一つのパッケージ配布ソリューションの強化に集中します。お客様は「信頼が続くこと」を必要としており、パッケージが構築されるだけでなく、エッジで配布・展開されることを求めています。ランタイムに至るまでのソフトウェアパッケージ配布のためのソリューションに力を入れています。
  • CI/CDと自動化は注力したいコアとなる分野です。世界がGitOpsから「BinOps」(バイナリベースの運用)アプローチへと変化する中、私たちはソフトウェアパッケージがDevOpsパイプラインにおける主要な資産であると考えており、JFrogをお客様のCIツールと統合し、すべてのステージでCDの体験を向上させることに努めています。
  • 最適なインテグレーション非常に重要です。私たちのエコシステムの理念はユーザーがどんなツールスタックでも作業できる能力を与えることです。業界最高水準のソリューションとの強力な「すぐに使える」インテグレーションを提供することで開発者の生活を楽にするために、より多くのパートナーシップとプラグインに投資し続けます。

私たちの掲げるこの攻めのロードマップは、コミュニティ、お客様、エンドユーザーをサポートするだけでなく、彼らが繁栄し、競争力をつけてDevOpsの優位性を持てるような革新的な技術を提供していくことの約束の証です。

2021年に向けてFrogたちと一緒に飛躍できることを嬉しく思い、わくわくしています。2020年はJFrogにとっても世界にとっても忘れられない年となり、このような時期に信頼、支援、パートナーシップを提供してくださったコミュニティやお客様には感謝してもしきれません。

今年もより良い1年になりますように。そして、FROGがあなたとともにありますように。