ソフトウェアは皆さまと一緒にコロナウイルスと戦っています
ビジネスを続けていく上で今が一番辛い時期であると誰もが感じています。国内線・国際線の運休や減便、イベントや対面での会議がキャンセルになるなど、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぐためにソーシャルディスタンスを意識する動きが広がり、円滑で綿密なコミュニケーションを保つことが難しい局面を迎えています。
このような状況であっても、ソフトウェア業界にいる人であれば他の業界に比べてそこまで深刻ではないことに気づいているでしょう。多くの仕事は自宅からリモートで作業を続けることができるからです。そして開発者であれば開発をストップするべきではありません。なぜならソフトウェアと開発者は最前線でCOVID-19と戦っているからです。
グローバルな問題を解決する、グローバルな開発
ソフトウェアや開発者は世界中に広がる新型コロナウイルスとさまざまな方法で戦っています。
コーディングが肺炎患者を救う
Wired.comの記事で取り上げられたように、主に肺がん検診で胸部CTスキャンをする際に使われているソフトウェアを利用してコロナウイルスによる肺炎の兆候を発見できるように急ピッチで改善されています。医療機関や病院では最新のクラウド、AI、IoTインターフェースを利用してウイルスの拡散を食い止めたり、検出速度を早めたりしています。開発者は常に改善を続けています。
AIがこの問題に立ち向かう
中南省の放射線科で開始されたプロジェクトでは医療スタッフが北京のスタートアップであるInfervisionが開発したAIツールを使用して、肺のCTスキャンの画像からCOVID-19に関係がありそうな肺炎の視覚的な兆候を検知しています。
このツールはすでに中国の多くの病院で展開され、32,000以上の症例が確認されています。Infervisionは2015年にSequoia Capitalからの資金提供を受けて設立されたもので、中国がシリコンバレーの企業と提携して医療に人工知能を取り入れ近代化した事例になっています。ここでも開発者は開発を続けています。
CI/CDがソリューションを加速させる
Siemens HealthineersとCI/CD企業のVerifaは次世代医療機器向けソフトウェアプラットフォームのリリースサイクルを大幅に早めることに成功しました。SwampUp 2019ではJacobLärforsとRavi Sudhireddyが組み込み医療(FDA/62304)業界における機能安全プロジェクトのために継続的インテグレーション(CI)パイプラインを構築した経験を語りました。彼らはコンプライアンス、テスト、品質、セキュリティをより高いレベルで提供できるパイプラインを実装しました。このような実装は医療業界に関わる企業がソフトウェアの更新やリリースを迅速に行うことをサポートし、命に関わる病気との戦いに役立ちます。ここでもまたソフトウェアの開発は続けられています。
更新のための更新
ヘルスケア・ソフトウェア会社のEpic Systems Corporationは医療機関の顧客向けに新型コロナウイルスの潜在的な症例を検出するための最新情報を発信しました。Epicは医療スタッフに出張スクリーニングのアンケートを実施しています。医療機関では現在Epicの出張スクリーニングアプリを使い、ソフトウェアを更新することで新型コロナウイルスに関する注意喚起情報を自動的に取得し、COVID-19の拡散状況とそれに伴う渡航制限、推奨事項、ポリシーに関する情報を提供しています。もはやソフトウェアの開発は止まりません。
ソーシャルディスタンスを保つソフトウェア
中国ではウイルス拡散の緩和のために警告サインなどで人々に注意を促すClose Contact Detectorというアプリが開発されました。このアプリは感染者との距離を計算してユーザーの感染リスクを判断し、コロナウイルスの症状がある人が近づいた場合に警告を発することで感染を未然に防ぐように設計されています。ソフトウェアを開発し続けることで助かる命があります。
データが行動を駆り立てる
Nextstrainというオープンソースのソフトウェアはウイルスの新たな症例や進行中の症例がどこから来ているのかを示すツールです。これは新しい事例が海外旅行者によるものなのか、それとも国内で局所的に発生しているのかを判断し、分析しようとしている保健当局、科学者、研究者にとって有益な情報を明らかにする重要なツールです。このような分析のための情報は、公衆衛生を考える上で非常に大事なことです。ソフトウェア開発はいかなる状況でも続けられています。
あなたの行動が大きな違いを生む
このような状況下においては健康、データセキュリティ、情報交換について多くの大きな懸念があるのは仕方ないでしょう。信頼され前向きな姿勢であり続けるためにはソースコード、バイナリ、ネットワーク、配信システムを安全にする必要があります。JFrogはこれらを確実に保護するツールを提供しており、業界全体がオープン、無料、アクセス可能なツールを通して最も必要とされるところに支援を提供することに重点を置いています。今までも、そしてこれからもソフトウェアの開発は止まりません。
ソフトウェアの世界には危機的な状況下でも提供できることがたくさんあります。そして私たちは常に想像力を働かせ、このコロナウイルスに対して一時的または永続的な解決策を考え出そうとして最善を尽くします。
誰もが最前線にいるわけではありません。私たちは全員が医療機器やアプリケーションの開発をしているわけではありません。しかし、私たちは開発者として自宅から産業、企業、そして世界の人々の健康と経済に変化をもたらすことができるのです。
私たちは開発を続け、そして世界に未来をもたらします。
この困難な状況を共に乗り越えていきましょう。