「女性だから」という理由で娘を採用しないで

International Women’s Day 2021

2021年の国際女性デーのテーマが「Choose to Challenge」であることにわくわくしました。これは私たちが変化を達成するための旅の途中にあり、そのためには現状に挑戦しなければならないという意味です。3人の娘の父親として、将来彼女たちにスキルに応じた平等な機会が本当に与えられることを願ってやみません。

一方、企業のCEOとしては職場、特にテクノロジー分野において女性の平等な登用を実現するための苦しい戦いが続いています。例えば、テクノロジー業界の指導的立場にある人は依然としてほとんどが男性です。Fenwick & West LLPの調査「Gender Diversity in the Silicon Valley」によると、シリコンバレーの企業で女性がリーダーシップを発揮しているのはわずか11%。これは悲劇的な数字です。

性別ではなくスキルで採用する

JFrogでは多様性を重視していますが、女性だから採用するということはありません。社員のスキルと経験に基づいて採用しています。弊社を率いている女性たちを採用したように、性別にこだわらなければ結果的に真の平等が実現します。

当社の取締役会では、3名の独立取締役のうち、2名が女性です。リーダーシップチームではCRO、COO、CISO、CMO、CHROと5人の優秀な女性がCレベルのポジションに就いています。これらのうち3つは伝統的に男性が支配してきた役職です。CROのTali Notmanは、技術系のセールスリーダーの女性比率が12%しかない中で、セールスリーダーとして活躍しています。また、CISOのMoran Ashkenaziはフォーチュン500企業のうち女性がCISOを務めているのはわずか14%と言われている中で、その役割を担っています。COOであるOrit Gorenは、女性が30%しかいないカテゴリーにいます。JFrogではアメリカのオペレーション責任者であるYael Halperinをはじめ、オペレーションの大部分を女性が占めています。

International Women's Day - JFrog

JFrogのデベロッパーリレーションチームの50%は女性ですが、昨年実施されたStatista社の調査によると世界のソフトウェア開発職に就いている女性の数はわずか8%でした。これは10年前や5年前の数字ではなく、2020年の数字です。ソフトウェアがどこにでもあるデジタル時代に、ソフトウェア開発者の女性が8%しかいないというのはこれもまた悲惨です。

また、インド支社のGMであるKavita Viswanathを筆頭に、女性はグローバルにリーダーシップを発揮しています。彼女たちは女性だからとか、人事チームがノルマを達成したいからということではなく、それぞれのスキルに合わせて採用されました。そしてリーダーを育て、力を与える強い文化を持つJFrogで活躍し続けています。

教育とエンパワーメント

しかし、経営層に女性がたくさんいるからといって自画自賛しているわけではありません。JFrogの全世界の従業員のうち女性は31%ですから、この数字はもっと高めることができるはずです。国際女性デーのスローガンにもあるようにテック業界では「挑戦することを選ぶ」必要があり、より数字を上げ、会社全体でより多くの女性を役職に就かせるよう努力しています。

では、技術的な職務(ソフトウェア開発など)に応募する女性が少ないため男性を中心に採用している場合はどうなるのでしょうか?性別ではなくスキルに基づいて採用するという偽善的な立場でありながら、多様性を実現するためにこの業界はどのようにバランスをとっているのでしょうか。

技術教育やトレーニング、そして少女や若い女性にSTEM分野の仕事に興味を持ってもらい、恐れずに追求してもらうためには早い段階から始める必要があります。この点についてだけで別の記事を書くことができるほどです。そうすることで技術系の職場における男女の割合を真に比例させることができ、そもそも採用する見込みのある人材をより増やすことができるからです。次に挙げるポイントの重要性はいくら強調しても足りません。

  • 業界として、技術部門は少女や若い女性のSTEM教育を強化するWomen Who Codeのようなプログラムや組織を積極的に支援し、寄付する必要があります。この活動はあらゆるタイプの未来のリーダーに投資するものなので、JFrogを含む私たち全員がこの活動により力を入れなくてはなりません。
  • 資格のある人に平等な機会を与えるために、多様な人材を探し出して採用することを意識的に行います。そのためには受動的なアプローチではなく、積極的なアプローチが必要です。
  • 恩送り(Pay it forward)。メンタリングプログラムを作りましょう。誰かのメンターになりましょう。組織における効果的なメンタリングの取り組みは公平性と平等性を築きます。

また常々、人は身の回りのリーダーと同じくらい優れた人材になれると信じています。真の比例代表制を実現し会社を成功させるためには、性別に関係なく社内のリーダーを選び、彼らにチームを率いる機会を与えることが重要です。

しかし、私たち全員が努力しなければなりません。 今年の国際女性デーではJFrogの女性や世界中の女性の功績を讃えますが、それに甘んじることなく、性別による機会の不平等のある現状を男女平等やすべての人にとっての真の平等へと変えていくために、「挑戦することを選ぶ」ことを続けていきましょう。

ワンダーウーマンの皆さん、飛躍することをやめず自分の仕事でベストを尽くし、業界全体の北極星となるよう努力してください。