JFrogコールドアーティファクトストレージ:バイナリの保存ポリシー
ソフトウェアのリリースが小規模且つ高頻度になる傾向にある中で、お客様のバイナリやアーティファクトはどんどん蓄積されていきます。
JFrogのお客様は、それぞれ平均2,000万個のアーティファクトを維持しており、毎年130%増加しています。最終的には古くなったバイナリが乱立し、必要なバイナリを見つけることが困難になります。時間が経つにつれ、アーティファクトリポジトリのパフォーマンスは低下していきます。
また、古くなったバイナリにより、ストレージのコストはどんどん上昇していきます。
これらの問題に対処するために、私たちはJFrogコールドアーティファクトストレージをリリースしました。
古くなったバイナリを低コストのストレージを使用するArtifactoryの別のインスタンスに自動的に移動するポリシーを定義できるようになりました。
しかし、なぜ古くなったバイナリを廃棄しないのでしょうか?
なぜなら、あなたのビジネスや業界の保存ポリシーを規定する規制要件を遵守する必要があるからです。
以下はその一例です。
- 米国で公開されている企業はサーベンス・オクスリー法(SOX法)に基づくデータ保持ポリシーの策定が必要です。
- クレジットカードでの支払いを受け付ける組織はPayment Card Industry Data Security Standard(PCI DSS)のデータ保持ポリシーの策定が必要です。
- 医療機関はHealth Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA)に準拠したデータ保持ポリシーの策定が必要です。
- Businesses that process or store personal information about EU citizens must comply with the General Data Protection Regulation (GDPR), whether or not they are member states.EU市民の個人情報を処理または保存する企業は加盟国であるか否かにかかわらず、一般データ保護規則(GDPR)の遵守が必要です。
保存ポリシーは各地域のローカルルールを考慮する必要がある場合はとても複雑になります。
規制を超えて – 保存ポリシーのビジネスケース
法規制の遵守は必須ですが保存ポリシーのビジネスケースはコンプライアンスだけではありません。 実際に使用されていない資産をアーカイブすることはビジネス上の慣習です。
- 古くなったバイナリを別の二次的なストレージに移動することで、一次的なストレージの使い勝手を向上できます。整理することで検索が容易になり、混乱を避けられるようになります。
- プライマリストレージに関連付けられたArtifactoryインスタンスは古いバイナリによる余計な負荷がなく、パフォーマンスが向上します。
- 低コスト。古くなったバイナリのアーカイブは、より安価で性能の低いストレージに保存できます。
JFrogコールドアーティファクトストレージのご紹介
JFrogコールドアーティファクトストレージは使用されていないアーティファクトを、あるArtifactoryインスタンスから、費用対効果の高いストレージに接続された別のArtifactoryインスタンスに移動させることができるアーカイブソリューションです。
このようにコールドアーティファクトストレージは使用していないが、規制上の義務のために数年間削除できないアーティファクトの保持機能をお客様に提供します。
コールドアーティファクトストレージソリューションは簡単なセットアップと構成プロセスを提供します。さらに定期的に実行されるアーカイブポリシーを定義し、選択基準に基づいてアーティファクトを選択し、そのアーティファクトをコールドArtifactoryインスタンスに移動させることが可能です。異なるユースケースのために複数のポリシーを作成することができます。
コールドArtifactoryインスタンスは低コストのストレージを使用するように設定できます。現在の選択肢はローカルストレージとAWS Glacierですが将来的にはAzure ArchiveとGCP Archiveにも対応する予定です。
コールドArtifactoryインスタンスに移動したアーティファクトはライブArtifactoryインスタンスから削除され、メンテナンスが必要なアーティファクト数が減ることで、ライブインスタンスの使い勝手、検索機能、パフォーマンスの向上につながります。コールドArtifactoryインスタンスは専用のアーカイブ検索とリストアAPIを使用するか、ライブインスタンス上のUIを使用し、任意の時点で検索し、アーティファクトを復元できます。アーカイブされたアーティファクトはライブArtifactoryインスタンス内の元の場所または新しい保存先にリストアできます。復元メカニズムはバックグラウンドプロセスとして実行され、完了後に通知されます。さらに、アーカイブされたアーティファクトに関連するメタデータはアーカイブ期間中に失われることはなく、アーティファクトがリストアされた後も、このメタデータを引き続き利用できます。
コールドアーティファクトストレージについては、このソリューションシートとドキュメントで詳しく説明しています。また、JFrog ArtifactoryのページではArtifactoryがどのように生産性と速度を向上して高品質なリリースを提供するのに役立つかを詳しく説明しています。